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アトピー性皮膚炎は様々な原因で皮膚のバリア機能が低下し、刺激を受け、アレルギー性の炎症を起こし、これを慢性的に繰り返す病気です。発症は幼児期から大人までありますが、完治の難しい病気とされています。うまく付き合っていかなければならないのですが、まずはアトピー性皮膚炎について正しい知識を身につけましょう。

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食物とアレルギー

アトピー性皮膚炎は食物アレルギーと一緒?で「アトピー性皮膚炎」と「食物アレルギー」は別の病気だと書いておりますが、食べ物がアレルギー性の病気に与える影響は、実はかなり複雑です。



その一部を簡単に下図に図示します。

一番左側の「蛋白抗原への曝露」を受けて「食物抗原に感作」が起こると食物アレルギーがいつ発症してもおかしくないスタンバイ状態になります。

私たちは半世紀前の人たちと比べるとお母さんのおなかの中にいるころから、卵や牛乳を数十倍も食べているので食物アレルギーになりやすくなったという考え方もありますが、本当のところはまだわかっていません。

右側の3つは食物アレルギーとは関係ありませんが、アトピー性皮膚炎を悪化させます。

まず「N-6系脂肪酸摂取の増加」の影響です。

「N-6系」の脂肪酸というのはリノール酸系の油で、マーガリンやサラダにかけるドレッシング、スナック菓子などにたくさん入っています。

当然のことながら、文明が進んだ国でたくさん消費されています。

このN-6系の脂肪酸は、体内で「アラキドン酸代謝」を受けて「ロイコトリエン」という化学物質に変化し、体の中の「マスト細胞」に蓄えられます。

そしてこの「ロイコトリエン」は、マスト細胞が刺激を受けると体内に放出されて、アトピー性皮膚炎を悪化させたり、喘息の発作を起こします。

それなら「N-6系の脂肪酸は悪者で、食べない方が良いのでは?」と考えますが、さまざまなホルモンを作り皮下脂肪を作るのに重要な役割を果たしていますから、摂らないわけにもいきません。

食べる量が多いと問題が起きると考えるべきでしょう。

実は「N-6系」以外の脂肪酸に「N-3系」の脂肪酸があります。

皆さんよくご存知の「EPA」とか「DHA」という油で魚にたくさん含まれていますが、「N-6系」と「N-3系」のバランスが崩れる、例えば和食が減って洋食が増えると「N-6系脂肪酸」の摂取も増え、その影響でアレルギー疾患が増えているのではないかという考えもあります。

摂取食物のアレルギー疾患への影響は複雑

摂取食物のアレルギー疾患への影響は複雑



食物アレルギーは「免疫」の仕組みを介しておこります。

具体的には、体内に入ってきた食物抗原が好塩基球やマスト細胞と呼ばれる細胞のレセプター(受け口)に刺激を送ると、アレルギー症状を引き起こすヒスタミンやロイコトリエンが放出される仕組みです。

ところが免疫的な抗原や刺激ではなく、マスト細胞を直接、刺激することでもヒスタミンやロイコトリエンが放出され、アレルギーと同じような症状を引き起こすことがあります。

このように、免疫の仕組みを介してないのにアレルギーと同じ痒みを引き起こす物質を誘発する物質を「仮性アレルゲン」「薬理活性物質」といいます。

このことを私たちの暮らしの中に引き当てて考えてみると、「何かを食べて痒くなっても、その食べ物の食物アレルギーとは限らない」ということになります。

例としてこのような話があります。

イチゴ狩りに行ったお子さんが、嬉しかったのでしょう、普段は2、3個食べても平気だったので、一度にたくさん食べてしまいました。

そうしたら顔が真っ赤になって痒くてたまらず、病院に駆け込みました。

この症状はアレルギー症状のようにも見えますが、実はイチゴに含まれる薬理活性物質が症状を引き起こしていました。

同じように、鮮度の落ちた魚には痒みを引き起こす物質であるヒスタミンがたくさん入っています。

青みの魚が健康に良いと言われていますが、青み・赤みの魚にはヒスチジンというアミノ酸が多く含まれ、このヒスチジンは常温でヒスタミンに変化し、そのスピードは1日で5千倍に増えると言われます。

魚などを食べて痒くなった時、それが魚に含まれたヒスタミンによるのか、それも魚の蛋白質による本当の魚のアレルギーなのかを見極める必要があるわけです。

子供がある物を食べて痒くなった時に、表示を診て「卵と書いてあるから、卵アレルギーだ」などと簡単に判断してはいけません。

原因が食べ物だと思い込んで制限を進めた結果、お米と塩しか食べられなくなっていたケースもあります。

安易な自己判断は禁物、専門医による診断が必要です。



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